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2013.07.01

日配の実子来日につき注意すべき事例

日配認定(日本人の配偶者等=日本人の夫又は妻=の在留資格認定証明書交付申請)の場合、日本人配偶者が外国人配偶者を呼び寄せる形になるのが通例ですが、外国人配偶者の本国で、その夫婦間の日本国籍を有する実子が出生し、外国人配偶者と共に来日しようとする計画をしばしば見掛けます。
この場合に、実子の来日に注意すべき2事案を掲げます。

1、中国で出生した夫婦間の実子が来日する場合。
日本国が、所定の条件下で、子の二重国籍を認めていることはご存知の方が多いと思います(国籍法12条、14条)。
しかし、中国は、一切、二重国籍を認めていません。日中間の子が、二重国籍であることは、中国当局に隠しておいたほうが安全と思われます。
一般に、子が二重国籍の場合、日本以外の国籍国(A国)を出入国するときはA国パスポートを使用し、子が日本を出入国するときは日本パスポートを使用する、というのが通例です。
しかし、中国では二重国籍を認めないわけですから、出国の際、中国パスポートだけを提示して日本行きの航空機に乗ろうとすれば、査証(ビザ)はどうなっている?ビザなしで日本へ入国できるとすれば、日本国籍も持っているのか?(二重国籍か?)ということになります。違法者として摘発され、中国を出国できないことも想定されます。
この場合の日本外務省(大使館)の指導は、概略、以下の手順です。
①中国パスポートを用意する。②子の出生の旨が記載された戸籍謄本などを添付し、中国パスポートに短期査証の発給を求める。③中国人として中国を出国し、日本へも中国人として短期滞在の資格で上陸する。④入管へ出向き、短期滞在の資格を抹消する(日本国籍の判明)。
入管当局にも確認したところ、日本上陸は日本パスポートを使用してほしいような言い回しもしていましたが、上記、外務省の指導を受け入れる態度でした。
これで、問題なく、来日できています。

2、インドネシアで出生した夫婦間の実子が来日する場合。
日本国籍法12条の手続(出生及び国籍留保届)を行った前提とします。
インドネシアも、子の二重国籍は認めています(※)。
そこで、上記の中国のような問題は生じないのですが、“AFFIDAVIT”の手続を行う必要があるとして、出国を足止めされる例を見掛けます。
この場合の“AFFIDAVIT”とは、二重国籍であることをインドネシアのイミグレーションに表明する意思表示と言われていますが、実質は、インドネシアのイミグレーションが発行する二重国籍の証明書と考えたほうが良さそうです。“AFFIDAVIT”の発行を受けると、インドネシアのパスポートは使用せず、日本パスポートのみを使用し、なお、インドネシア出入国の際には、日本パスポートに加えて“AFFIDAVIT”を提示することになります。
「2006年8月1日発効のインドネシア国籍法改正後の出生の場合、“AFFIDAVIT”の手続をやっておいたほうが良いだろう」という趣旨のサイトを見掛けることもありますが、2013年に入ってから、“AFFIDAVIT”の発行を受けないと出国できない事例に当たっています。
(※)現行法では、子は生来的な二重国籍となります。
しかし、母がインドネシア人で、2006年8月1日より前に出生した子がインドネシア国籍を申請すると、日本国籍を喪失することがあるので注意が必要です。下記、在ジャカルタ総領事館のサイトをご参照ください。
http://www.id.emb-japan.go.jp/oshirase10_18.html

3、日露夫婦間の実子
なお、実例的取扱い経験がないので恐縮ですが、ある意味で上記と類似性がある事例として、日露間の実子について掲げます。
ロシア国籍法によると、ロシア出生の子は、生来的にロシア国籍を付与されますので、日本国籍法12条の手続を取れば、子は二重国籍になります。
しかし、実子が日本で出生した場合は、ロシアは生来的にロシア国籍を付与していません。在日ロシア大使館でロシア国籍を申請することはできますが、これは後発的な国籍取得になります。この点に気づかず、ロシア国籍取得の申請をすると、日本国籍法第11条1項の規定により日本国籍を喪失します。
子は、入管法により、在留資格取得許可申請を行うべきことになりますが、その申請時期が遅れれば不法残留者として退去強制手続の中で在留特別許可を求める以外にないことになります。

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