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2012.11.19

上陸特別許可(長期上陸拒否事由該当)案件

上陸特別許可(長期上陸拒否事由該当)の在留資格認定証明書

事案の概要
申請人Aはタイ国籍の男性です。
不法残留による退去強制処分を受け、後年、不法入国による退去強制処分を受けたことがあります。その後、また、不法入国して不法滞在・不法就労していたところ、2006年9月に逮捕、起訴され、同年11月に関東地方の地方裁判所において、懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受け、同月、退去強制処分を受けたものです。長期上陸拒否事由に該当します。
申請人Aは、2003年から摘発された2006年まで3年余の期間を同国籍の永住者女性Bと関東地方で同居生活を送っていました。
申請人Aの退去強制後、永住者女性Bは、相応の回数、タイ国への渡航を繰り返していました。
2007年12月、AB間で、タイ式婚姻が成立しました。
2009年、2010年、2011年と1年に1回ずつ在留資格認定証明書交付申請を試みましたが、いずれも上陸拒否事由該当を理由に不交付とされました。不交付理由説明の席では、「不法入国その他、ありとあらゆる手段(名前を変えたり、整形までした等)を駆使して日本に入ろうとしていて悪質。現状として特別に保護されるような事情は見当たらず、今後、よほど人道的に汲むべき事情が発生しない限りは難しい。タイ渡航と入管への申請を根気強く続けるしかない。」というような説明を繰り返されました。
夫婦とも50歳前後であり、夫婦間には実子がありません。本国には縁の離れた兄弟や独立した子がある程度で、強いて言えば本国との結び付きが弱い点が有利であろうか、という程度でした。
2012年8月に、4回目の在留資格認定証明書交付申請書を提出しました。いずれも、当職取次、東京本局への申請です。
2012年11月中旬、在留資格認定証明書が発給されました。退去強制から6年執行猶予期間の満了から2年を経過しています。
過去の不交付理由説明からして、恐らく今回も不交付であろうと思っていたのですが、嬉しい大誤算となりました。
過去にも、上陸拒否事由該当者の在留資格認定証明書は相応枚数の交付を受けていますが、長期上陸拒否事由該当(いわゆる永久追放)で、夫婦間に実子のない永住者の配偶者の案件での交付というのは、過去に情報を得たことがありませんでした。
過去に受けた上陸拒否事由該当者の在留資格認定証明書の場合、認定証の右肩上に「7-1-4」と朱書きされていましたが、本件では「5-1-4」とスタンプされています。いずれも、入管法の条文ですが「5-1-4」と書くとこの事案自体の意味を示すことになります。「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者」であり、長期、つまり、無期限の上陸拒否事由該当です。
また、法務省のホームぺージ上では、上陸拒否事由該当に関する上陸手続の簡素化が記載されていますが、
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact/q_a_details8.html#q8-2
本件では、ここにある「通知書」ではなく、従前どおり“到着便の事前通知”を求める「お知らせ」が同封されていました。つまり、上陸港において、上陸拒否事由該当者に対する上陸審判を、形ながらも行うことを意味しています。
「お知らせ」についてはこちらからご覧ください。
本件以前の上陸特別許可案件に関しては、こちらこちらからご覧ください。
追って、12月には査証発給の上、上陸が認められました。
本稿が、長期上陸拒否事由該当案件の1つの目安になれば幸甚です。

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