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2011.03.25

最近の在留特別許可(2)

◇ 2006年に3回の違反 ◇
 タイ国籍30歳代の女性、初婚です。
(1) 当職取扱い以前の履歴
① 不法滞在中の2006年に摘発収容され、退去強制処分を受けました(上陸拒否5年に該当)。
② 同年中に、他人名義のパスポートを使用して上陸申請したところ、パスポートが真正ではないことが判明したため、不法入国により退去強制処分を受けました(上陸拒否10年に該当)。
③ 同年中に、再び他人名義のパスポートを使用して上陸申請したところ、今回は、パスポートの不正が判明せず、上陸できてしまいました。
(2) 当職への依頼
 日本人男性と交際、同居に至り、当職に婚姻段階からの依頼がありました。
婚姻の方式は、日本式を選択せざるを得ず(領事婚は日本の通則法により不可、タイに帰国できないとすればタイ式婚姻も不可です)、なお、不法入国ですから在日タイ王国大使館は婚姻要件具備証明書を発給しません。
よって、独身証明書や住居登録などを添付して、夫の本籍地の市役所へ日本式の婚姻届を提出しました。
 本件では、とりあえず夫婦別姓とし、現地代理人により、在タイ日本大使館経由でタイ国婚姻証明書(家族状態登録簿=タビアン・タナヘン・クロップクロア)を作成しました。
(3) 入管への出頭
 入管への出頭は2007年12月中旬でした。他の事案と同様の書類のほか、違反歴一覧、使用した他人名義パスポートに関する情報、夫名義の経緯書などを添付しましたが、親族からの嘆願書は提出できませんでした。
 多少は危惧しましたが、その場で、収容されるようなことはありませんでした。
(4) 事案の進行
 出頭時期は2007年12月でしたから、当時の相場では、およそ4ヶ月程度で仮放免許可ないし在留特別許可が与えられる時代でした。
 しかし、この程度に悪質ですと、審査に時間が掛かって当然と思われました。
① 08年3月に、入管による事前連絡なしの自宅調査があり、写真撮影その他が行われました。いきなり入管が乗り込んできて写真撮影を含む自宅調査をするのは、かなり厳しい審査をしながらも、やがては許可される方向の案件に多い調査方法だと言えます。
② 同年6月に入管(調査第三部門)への出頭を求められ、夫婦双方に対し、丸1日掛かりのロングインタビューがありました。これも審査内容は厳しいが許可される方向の案件の場合に行われる調査方法だと言えます。
③ 同年8月、仮放免許可が与えられました。仮放免を申請したわけではなくまた保証金も要求されていません。
④ 同年9月以降、3月に1回の割合で、仮放免による出頭確認が繰り返されました。
⑤ 2010年8月には、本人に対し、審判部門によるインタビューが半日を掛けて行われました。
(5) 在留特別許可
 2010年12月、仮放免許可書、パスポート、外国人登録証明書、戸籍謄本、住民票を持参し、午前9時30分に出頭するよう指示されました。
 この日に、在留特別許可が降りました。
 初出頭から丸3年を要しましたが、事案が悪質であったためにこの程度の審査期間はやむを得なかったように感じました。

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