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2011.01.05

「日配」更新<事例3>

在留資格「日本人の配偶者等」の在留期間更新許可申請に関する事例

<事例3>
夫と別居し婚姻関係の修復は困難かと思われるが、子の親権や離婚条件を巡る訴訟等を前提として更新を希望した事例。
居住地:栃木県
入管:東京入国管理局(本局)
申請時期:2010年10月
事案概要:
タイ国籍の女性Aは、日本人男性Bと婚姻し、日本人の配偶者等(3年)の在留資格を有していました(前回の更新許可は2007年10月)。
婚姻及び初来日から12年を経過しており、AとBの間には、日本国籍を有する小学生の長男Cと長女Dがあります。
1998年の初来日後、夫Bのほか、子C・Dを含む安定した婚姻生活が7年ほど継続したようですが、2005年8月に在留期限を徒過し、06年11月に在留特別許可を得るまで不法残留の状態でした。08年11月に、夫Bや子C・Dと別居するに至っております。つまり、在留特別許可から別居まで2年しか経過していない点で、厳しい審査になるであろうと推測されました。
添付書類として、外国人登録証明書写し、在職証明書、市県民税非課税証明書、給与明細書(以上、Aのもの)、戸籍、住民票(以上、B・C・Dのもの)、身元保証書(会社同僚のもの)を提出しています。なお、Aの滞在費支弁方法は本人負担であるところ、所得証明書では自活できないほどの低収入であり、その点も不安要素でした。
これ以外に、いわゆる理由書に相当するA本人名義の「生活状況の報告及び在留を希望する理由」と題する書面を添付しています。後記ご参照ください。
申請方針として、子C・Dの親権や離婚に伴う財産分与や慰謝料請求のための示談交渉や調停・訴訟を前提に更新を希望した事例と言えます。本申請時点で、訴訟や調停は、現実には係属していません。
審査の結果:
申請後4週間で証印受領。更新許可1年を付与されました。(2010年7月の新制度移行後、当職取次による東京本局永住審査部門での更新又は変更案件で、許可証印受領まで規定どおり4週間を要したのは本件のみです)。
本事案の検討:
本事案は、夫婦間に実子がある点で<事例2>に似ているように見えますが、事例2においては、夫とは別居だが実子とは同居の形態を取っているし、婚姻・在留継続期間も長く、仮に離婚しても定住者の在留資格を付与される可能性が高いと言えます。
一方、本事案では、初来日後7年ほどの安定した婚姻生活があったとは言え、在留特別許可から別居まで2年しかなく、かつ、実子を引き取って養育してもいませんので、このまま実子を手元で養育することなく離婚しますと、定住者の在留資格を付与される可能性は低いと想像されます。次回更新においては、本申請と同様の内容で良いとは考えておりません。

(申請人A名義)
「生活状況の報告及び在留を希望する理由」
2007年10月○○日に在留期間更新許可をいただいた以降の生活状況と、今後、日本での在留を希望する理由を以下のとおり申し述べます。
1.私は、2008年11月○○日に夫Bと別居しました。
主な理由は、夫から度重なる暴力を振るわれ、また、生活費を渡してくれないこと、夫Bは近くに住む実父母の言いなりで、子供たちの養育のことなど私の希望を全く耳に入れてくれないことです。夫Bは、栃木県H町所在のH社(上場企業関連)でエンジン開発に関わる仕事をしており、生計は厳しくないのに、生活費を預けてくれない点がトラブルの元になっていました。
2.私は、夫Bと別居後、栃木県O市でタイ料理店の経営を始めましたが、世の中が不景気で店舗経営は上手く行かずに閉店しました。
2009年5月末に現在の居住地である同県M町に転居して、同年11月から同県M市所在のキノコ関係の事業所 Mに勤務するようになりましたが、給与があまりに低額なので2010年8月で退職しました。
同年10月には、現在の勤務先T工業所(プラスティック加工)に就職しました。在職証明書に給与月額11万円とありますが、残業などを入れると15万円程度を見込めます。
3.夫Bとは1998年4月の結婚以来12年以上が経過しています。しかし、上記のように暴力や生活費のこと等を改めてくれない限り、夫婦関係の修復は難しいかと考えています。夫Bとは、離婚する方向で話合いをしていますが、離婚に伴う財産分与及び慰謝料、長男Cと長女Dの親権や養育費について、協議が纏まらないかもしれません。夫Bとしては、本心よりも父母の顔色が気になるのだと思います。
金銭的なこともありますが、私としては、どうしても、CとDの親権を得て2人の子供たちを引き取り、私とC・Dの3人で日本での生活を開始したいと強く希望しています。子供たちのどちらか一方だけと言われても選ぶことはできません。
子供たちと一緒の生活を取り戻すためには、家庭裁判所に訴えて出ることも辞さない覚悟です。
4.私は、何も日本に在留したいために、形だけ裁判だなどと口に出しているのではありません。子供2人を引き取りたいのが真意なのです。子供たちは既に日本の市立小学校へ通学していますから、仮に、子供たちを引き取ったとして、タイでの生活を新たに開始するのは難しいと思います。
以上①夫との離婚協議及び状況によっては離婚の裁判のため、②離婚成立後に、子供たちを引き取って、子供たちと日本で生活をするため、本申請をお願いすることにしました。
2010年10月○○日
申請人A(署名)

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