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2013.07.12

在留特別許可を求めて出頭した際に渡される用紙

在留特別許可を求めて東京入国管理局調査第三部門へ出頭しますと、従来から「提出書類について」と題する書類を交付されるシステムになっています。
この用紙は、入管が不足書類の追加要求をするために用いられてきましたが、一方では、その出頭申告者(不法滞在者)について、調査第三部門が調査を開始したことを意味します。つまり、これを所持しているということは、既に入管に出頭済みで調査第三部門に事件があること、よって、入管の他の部署(摘発担当者)が当該申告者を発見しても拘束するようなことをしない旨を意味していることになります。100%の保障はできないが警察の検挙であっても同様である旨、入国警備官から耳にするところです。

この「提出書類について」の様式が、平成25年に入ってから、若干変わりました(それ以前の少なくとも平成18年から平成24年においては同じ様式でした)。
次が、平成24年以前の様式です。
こちらをクリックすると、PDFファイルが展開します。
「提出書類について」とある次の行に「本書を同封の上」と書いてあります。追加書類と一緒にこの原紙を送付するよう求める指示です。末尾のほうに<キリトリ>とあって、切取線の下だけを本人が保管することを意味します。しかし、これだけですと、日付(出頭申告日)と事件番号は入っていますが、肝心な出頭申告者の名前が入っていません。たまたま摘発に当たった入管の他の部署や警察が逡巡することも想定されます。そういうこともあり、私は、追加書類を提出する場合、決して原紙は入管に出さず、コピーを同封するようにしていました。

次が、平成25年の様式です。
こちらをクリックすると、PDFファイルが展開します。
「提出書類について」とある次の行に「本書の写しを同封の上」とあります。そして、末尾に「この用紙は大切に保管し、当局に資料を提出する際には、この用紙の写しを同封してください」となりました。
「提出書類について」の原紙は出頭申告者が保管することになったわけです。
担当者名も記入され、随分と親切になったように見受けられます。切取線は無くなりました。
仮放免許可とは意味が違いますが、この用紙に“捕まえない保障”を付与したのに近くなった感があります。
ほかに、「外国人登録証明書写し」を「在留カード写し」に変更し、「外国人登録原票記載事項証明書」を削除してあります。
「最寄り駅から居宅までの経路図」を削除したのは、腑に落ちません。あったほうが良いと思うのですが。

このほか、「配偶者質問書」という様式ができました。
こちらをクリックすると、PDFファイルが展開します。
内容は、出会い、同居、居宅間取り、金銭管理、プロポーズなどに関して、チェック式がメインの簡単なものです。

これら、在留特別許可を求める際に関係する書類の一覧は、ZIPファイルにしてアップロードしてあります。
こちらをクリックしてダウンロード・解凍すると、PDF9ファイルが展開します。
(6/28アップロード、7/12改訂)

2013.07.01

日配の実子来日につき注意すべき事例

日配認定(日本人の配偶者等=日本人の夫又は妻=の在留資格認定証明書交付申請)の場合、日本人配偶者が外国人配偶者を呼び寄せる形になるのが通例ですが、外国人配偶者の本国で、その夫婦間の日本国籍を有する実子が出生し、外国人配偶者と共に来日しようとする計画をしばしば見掛けます。
この場合に、実子の来日に注意すべき2事案を掲げます。

1、中国で出生した夫婦間の実子が来日する場合。
日本国が、所定の条件下で、子の二重国籍を認めていることはご存知の方が多いと思います(国籍法12条、14条)。
しかし、中国は、一切、二重国籍を認めていません。日中間の子が、二重国籍であることは、中国当局に隠しておいたほうが安全と思われます。
一般に、子が二重国籍の場合、日本以外の国籍国(A国)を出入国するときはA国パスポートを使用し、子が日本を出入国するときは日本パスポートを使用する、というのが通例です。
しかし、中国では二重国籍を認めないわけですから、出国の際、中国パスポートだけを提示して日本行きの航空機に乗ろうとすれば、査証(ビザ)はどうなっている?ビザなしで日本へ入国できるとすれば、日本国籍も持っているのか?(二重国籍か?)ということになります。違法者として摘発され、中国を出国できないことも想定されます。
この場合の日本外務省(大使館)の指導は、概略、以下の手順です。
①中国パスポートを用意する。②子の出生の旨が記載された戸籍謄本などを添付し、中国パスポートに短期査証の発給を求める。③中国人として中国を出国し、日本へも中国人として短期滞在の資格で上陸する。④入管へ出向き、短期滞在の資格を抹消する(日本国籍の判明)。
入管当局にも確認したところ、日本上陸は日本パスポートを使用してほしいような言い回しもしていましたが、上記、外務省の指導を受け入れる態度でした。
これで、問題なく、来日できています。

2、インドネシアで出生した夫婦間の実子が来日する場合。
日本国籍法12条の手続(出生及び国籍留保届)を行った前提とします。
インドネシアも、子の二重国籍は認めています(※)。
そこで、上記の中国のような問題は生じないのですが、“AFFIDAVIT”の手続を行う必要があるとして、出国を足止めされる例を見掛けます。
この場合の“AFFIDAVIT”とは、二重国籍であることをインドネシアのイミグレーションに表明する意思表示と言われていますが、実質は、インドネシアのイミグレーションが発行する二重国籍の証明書と考えたほうが良さそうです。“AFFIDAVIT”の発行を受けると、インドネシアのパスポートは使用せず、日本パスポートのみを使用し、なお、インドネシア出入国の際には、日本パスポートに加えて“AFFIDAVIT”を提示することになります。
「2006年8月1日発効のインドネシア国籍法改正後の出生の場合、“AFFIDAVIT”の手続をやっておいたほうが良いだろう」という趣旨のサイトを見掛けることもありますが、2013年に入ってから、“AFFIDAVIT”の発行を受けないと出国できない事例に当たっています。
(※)現行法では、子は生来的な二重国籍となります。
しかし、母がインドネシア人で、2006年8月1日より前に出生した子がインドネシア国籍を申請すると、日本国籍を喪失することがあるので注意が必要です。下記、在ジャカルタ総領事館のサイトをご参照ください。
http://www.id.emb-japan.go.jp/oshirase10_18.html

3、日露夫婦間の実子
なお、実例的取扱い経験がないので恐縮ですが、ある意味で上記と類似性がある事例として、日露間の実子について掲げます。
ロシア国籍法によると、ロシア出生の子は、生来的にロシア国籍を付与されますので、日本国籍法12条の手続を取れば、子は二重国籍になります。
しかし、実子が日本で出生した場合は、ロシアは生来的にロシア国籍を付与していません。在日ロシア大使館でロシア国籍を申請することはできますが、これは後発的な国籍取得になります。この点に気づかず、ロシア国籍取得の申請をすると、日本国籍法第11条1項の規定により日本国籍を喪失します。
子は、入管法により、在留資格取得許可申請を行うべきことになりますが、その申請時期が遅れれば不法残留者として退去強制手続の中で在留特別許可を求める以外にないことになります。