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2012.02.07

定住者の配偶者である定住者の再婚による更新許可

序. 定住者告示により、定住者の配偶者には、定住者の在留資格該当性があります。
1. 本件の夫(A)は不法残留していたところ、元々、定住者の在留資格を認められていた妻(B)と婚姻して、入管に出頭し、2010年12月、在留特別許可を得て、定住者の配偶者として定住者の在留資格を付与されたものです(なお、ABともに、日本式の婚姻・離婚を認められているタイ国籍者です)。
2. ところが、2011年8月、AB夫婦は詰まらない喧嘩をして、茨城県C市役所に協議離婚届を提出しました。AB揃って市役所に出頭したそうで、協議離婚届の無効を検討する余地はありませんでした。一方で、離婚届に関係なく、ABはC市内にて同居生活を続けていました。
3. 在留期限が2週間ほどに迫ったころ、ABは慌てて在東京大使館に赴きましたが、「日本の市役所発行の離婚届受理証明書に外務省認証を受ける。タイ国の離婚証明書、改姓証明書、独身証明書、改姓後の住居登録の取得。改姓後のパスポート申請。婚姻要件具備証明書の取得」といった、ごく当たり前の手順を踏むよう、勧められたそうです。これですと、短く見積もっても3ヶ月程度を要する手続になります。
とても、在留期限には間に合いません。
4. こういう場合には、通達があります。
つまり、日本式婚姻→本国側婚姻報告→日本式離婚の順で手続を行った場合、同一配偶者間で日本式に再婚をする際には、独身証明書に代えて本国の婚姻証明書を添付すれば足りる、ということです。
この事案の場合は、本国から、夫婦となる両名につき、婚姻証明書のほかに、住居登録と出生証明書を取り寄せています。
同一配偶者間での再婚での事例としては、下記が類似記事です。
http://office.yshimada.com/?p=166
5. 本件では、在留期限の前日に本国書類が到着しましたので、C市役所へ本国婚姻証明書などの添付書類と共に婚姻届を提出し、法務局の確認を得た上で、婚姻届受理となりました。
入管へは、婚姻届受理証明書、質問書などを添付の上、在留期間更新許可申請をなし、予定どおりの期間内で更新許可されています。
6. もし、仮に婚姻届が在留期限に間に合わない場合、どういう対処をしたら良いか?
これを、一般的な離婚後の再婚事例と仮定したときに、考え方として、下記の3つが想定されました。
①在留期限日までに、いったん短期滞在に変更許可申請する。
②更新申請を出しておいて、日本の婚姻証明書を追完する。
③出国準備以外にない。
実は、以前に同様の問題がさるネット掲示板で論争になり、私は③を主張したが、①の支持者が多く、言い負けた感じでした。
今般、申請前に、東京入管永住審査部門に婚姻届が間に合わなかったと仮定して、対処法を問い合わせてみました(なお、入管の対応は、再婚配偶者が同一でも別人でも同じです)。
同部門の回答は③で、それも、出国準備期間1ヶ月とし、その期間内のチケットと出国する旨の誓約書を提出すること。取次は可能とのことでした。なお、婚姻成立後に出国準備から配偶者資格への再変更は検討する余地がある、との付言はありました。

2011.01.05

「日配」更新<事例5>

在留資格「日本人の配偶者等」の在留期間更新許可申請に関する事例

<事例5>
同一配偶者との再婚を理由に更新許可を求めた事例。
居住地:東北地方
掲載意図:
本事案は当職において、入管申請書類の作成や取次を行ったものではありませんが、日本人の配偶者等の在留期間更新許可申請をなしたところ、事例4と同様に、質問書の提出を求められたとのことなので、その類似性から、ここに掲載することにしました。
事案概要:
タイ国籍の女性Aは、日本人の夫Bと婚姻し、2003年12月に日本人の配偶者等の在留資格で上陸し、以後、同資格にて在留期間3年を認められていました。在留期限は10年12月でしたが、それ以前の09年8月に協議離婚が成立しました。その離婚は当事者双方の本意ではないと言います。再婚して日本での在留を継続したいとのことで、再婚の手続についてご依頼を受けたわけです。
再婚手続の原則:
本来ですと、ごく大まかに記しても、
タイの離婚証明書・独身証明書・住居登録等の取得→日本の婚姻届→タイの婚姻証明書等の取得→入管への申請。
という手順になります。細かく言いますと、両国外務省・大使館による離婚・改姓・婚姻関係書類の発給申請や認証手続・翻訳、パスポートの申請や外国人登録の手続など、細々した処理が山積されています。煩雑極まりありませんし、在日タイ大使館に相談すれば、上記のような原則論を押し付けられるのは当然と思われました。
例外的な通達の存在:
2009年、本件とは別途に、タイ人女性が入管に収容中である案件に関して、次のような通達がある旨の情報を得ていました。
「タイ人女性Aと日本人男性Bが双方の国で婚姻届をなしたうえ、日本でのみ離婚届を提出し、タイ側離婚届をなしていない状態で、Aが、別の日本人男性Cと再婚するにつき、添付書類として、AB間のタイの婚姻証明書、Aの出生証明書及び住居証明書をもって、婚姻届を提出することができる。この場合、市役所限りではなく、法務局への受理照会の上、婚姻届を受理することとなる。」
本件への適用:
本件では、Aが収容中というような緊急やむを得ない状況ではありません。一方、離婚した夫Bと再婚する夫Cは同一人であるという特殊性があります。担当市役所及び法務局の意向を確認したところ、上記通達を是認したうえで、①タイ国婚姻証明書(タイ語原文と英訳のセットに外務省認証及び日本語訳)、②住居登録(前同)、③申述書、を添付して市役所限りで婚姻届を受理する、との回答を得たものです。
入管への申請:
入管申請に関しては相談を聞いているのみですが、事例4と同様に、離婚成立によって速やかに帰国するか他の在留資格への変更を求めるべきであったと思われます。しかし、そうせずに、在留期間更新許可を申請したいというのが当事者の希望でした。
離婚・再婚の当事者は同一ですが、本件もやはり、新たに日本人の配偶者等の在留資格を決定する場面になりますので、質問書の追加を求められたということでしょう。
離婚届の提出により、過去7年の在留履歴がリセット扱いになったものと想像します。
入管の審査結果は、更新許可1年であった、とのことです。