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2016.02.03

婚姻に至る経緯書

過去に申請した在留資格認定証明書交付申請(上陸拒否事由該当につき、上陸特別許可案件を含む)において、質問書第2ページの罫線部分に相当する「婚姻に至る経緯書」の参考記載例を掲載します。
それぞれ原文を伏字等の措置をして、プライバシーの保護をしています。
一般に公開することによって、各位のご参考になれば幸甚です。
婚姻経緯書例1-中国人ー事案内容を見る
婚姻経緯書例2-中国人ー事案内容を見る
婚姻経緯書例3ータイ人ー
婚姻経緯書例4ータイ人ー事案内容を見る
婚姻経緯書例5-インドネシア人ー事案内容を見る

2013.12.26

在留特別許可による永住者の配偶者等からの永住許可

① 来日後の履歴
申請人は、茨城県に居住する40歳代のタイ人男性です。
不法残留後、2007年5月、永住者である妻と婚姻し、2009年1月、在留特別許可を得、永住者の配偶者等(1年)を付与されました。
その後も、永住者である妻、妻の長女と同居生活を送り、更新1年(2010年)、更新1年(2011年)、更新3年(2012年)を許可されました。
② 申請時期と添付書類
2013年8月、東京本局へ、永住許可の申請をしました(当職取次)。
在留特別許可から4年、婚姻後6年の時点での申請ということになります。
法務省がアナウンスしている添付書類のほか、以下のような添付書類を提出しました。
・主たる生計維持者である申請人本人の市県民税課税証明書、同納税証明書3年分…追加要求されやすい書面ですので、最初から3年分を添付しています。
・永住者である妻の在職証明書、市県民税課税証明書、同納税証明書3年分
・社会保険の保険証コピー(一家3人分)
・住居報告
・親族概要
・理由書…主に、永住許可を得て、住宅を購入したいという趣旨です。
・スナップ写真
・第三者身元保証人の在職証明書、住民票、市県民税課税証明書1年分…これは、本来の身元保証人である永住者妻の収入が低いため、従前、入管で指導を受けたとおり、第三者の身元保証人をダブルでつけたためです。
③許可の時期
追加書類の要求はなく、12月中旬、許可受領してきました。申請から3ヵ月半ほどで、審査も早めであったと言えます。いくつかの情報から、処理が早くなってきている様子だと察していました。
ただし、取扱局による差は相当あると思われます。複数の管轄がある案件では、どの入管へ申請するか、というのも1つの要素になるでしょう。

2013.02.02

改正法施行後の永住許可事例

近時、永住許可がかなり厳しくなっているという声を耳にすることがあります。
本稿では、2012年7月9日の法改正後に永住許可された事例を掲げてみます。たまたまですが、本日ご紹介する申請人はすべて男性ということになりました。

1 上陸特別許可による永住者の配偶者等からの永住許可
① 来日後の履歴
2008年7月、上陸特別許可(上陸拒否期間中の上陸許可。当職取次)を得て上陸し、永住者の配偶者等(1年)を付与されました。
永住者である妻及び妻の第三子(小学生)と同居生活を送り、更新1年(2009年)、更新3年(2010年)を許可されました。
② 申請時期と添付書類
2011年11月、東京本局へ永住許可の申請をしました(当職取次)。
上陸から3年、婚姻後4年経過の時点での申請ということになります。
法務省がアナウンスしている添付書類のほか、住居報告、親族概要、スナップ写真、理由書を添付しました。理由書の内容は主に「永住許可を得て政府系金融から融資を受け、自宅を購入したい」との趣旨です。
③ 追加書類等
入管からは、追加の書類提出などは求められませんでした。目立つ形での自宅調査も電話照会もありませんでした。
ただし、震災の影響で空き家になった半壊家屋の無償譲渡を受け(自己補修して居住)、土地は賃借する形で転居したので、その居住関係報告と、相変わらず政府系金融からの融資を受けて土地建物を自己名義にしたい趣旨は入管に報告しました。 
④ 許可の受領
2012年7月下旬に葉書を受領し、8月上旬に在留カードを受領しました。
⑤ 寸評
夫婦共働きであり、世帯の所得額、住民税の課税・納税も問題ありませんでした。
この案件を見る限り、法改正前と全く変わりがないという印象を受けました。

2 在留特別許可による永住者の配偶者等からの永住許可
① 来日後の履歴
不法残留後、永住者である妻と婚姻し、2007年2月、在留特別許可を得、永住者の配偶者等(1年)を付与されました。
永住者である妻と同居生活を送り、更新1年(2008年)、更新3年(2009年)を許可されました。
② 申請時期と添付書類
2012年1月、東京本局へ、更新3年と永住許可の同時申請をしました(当職取次)。
在留特別許可から5年、婚姻後6年弱の時点での申請ということになります。
(更新はこの当時の基準どおり4週間程度で許可証印を得ました。)
法務省がアナウンスしている添付書類のほか、住居報告、親族概要を添付しました。スナップ写真や理由書は添付していません。在留特別許可から5年も経過しているので、細かい説明は不要と考えたためです。
ただし、この永住者妻は視覚障害者で無職無収入のため、第三者の身元保証人と所得証明書を添付しました。
③ 追加書類等
入管からは、2回に渡って追加の書類提出を求められました。
ⅰ)申請人に掛かる過去2ヵ年分、申請後1ヵ年分の市県民税課税・納税証明書
ⅱ)妻に掛かる直近1ヵ年分の市県民税課税・納税証明書
まず、ⅰ)に関してですが、申請書には法務省のアナウンスどおり、申請時点での直近1ヵ年分の市県民税課税・納税証明書を添付したのですが、その前年・前々年分と、時間経過により提出することが可能になった申請後の市県民税課税・納税証明書を追加要求されたわけです。
これは、他からも報告があるように、近年、所得申告や納税義務の履行を厳密に調査するようになった結果と言えます。
ⅱ)に関しては、ⅰ)のうち申請後1ヵ年分の市県民税課税証明書に「被扶養配偶者 無」となっているところに、入管が目をつけたことによるものです。申請人は、勤務先会社に「被扶養配偶者 有」と報告していたのに、会社がそれを無視し、「被扶養配偶者 無」との源泉徴収を行った結果によるものです。妻に関しては市県民税非課税証明書を提出、申請人については確定申告をやり直したうえ「被扶養配偶者 有」と変更された後の市県民税課税・納税証明書を追加提出しています。
④ 許可の受領
2012年9月中旬に葉書を受領し、同月中に在留カードを受領しました。
⑤ 寸評
申請時点から見て直近年度の市県民税課税・納税証明書を添付したうえ、追加資料として申請時点から見て過去2ヵ年分、申請時点から見て次年度1ヵ年度分、つまり、4ヵ年分の課税・納税証明書に意を払わなければならなくなったことを意味します。

3 上陸特別許可による日本人の配偶者等からの永住許可
① 来日後の履歴
2008年12月、上陸特別許可(上陸拒否期間中の上陸許可)を得て上陸し、日本人の配偶者等(1年)を付与されました。
日本人妻と同居生活を送り、更新1年(2009年)、更新1年(2010年)を許可されました。ですが、在留期間1年を3回という処分を受けたことから、2011年の更新時期は当職が取次し、更新3年を許可されました。
② 申請時期と添付書類
2012年6月、東京本局へ永住許可の申請をしました(当職取次)。
上陸から3年半、婚姻後6年弱の時点での申請ということになります。
法務省がアナウンスしている添付書類のほか、住居報告、親族概要、スナップ写真、理由書を添付しました。
夫婦とも就労していているため、夫婦とも在職証明書、市県民税課税・納税証明書を添付しています。なお、申請時期が6月中旬であり、高収入である妻に関する納税時期が未到来だったため、念のため、妻についてのみ直近年度とその前年の市県民税課税・納税証明書を添付しています。
理由書の内容は主に「祖国の親族との交流がなく、過去・将来とも一時帰国しない。生涯を日本で暮らしたい」との趣旨です。
③ 追加書類等
ⅰ)申請人(外国人夫)について
 - 過去3年分の国民健康保険料納付済額証明書又は社会保険証のコピー
 - 国民年金又は厚生年金全部の納付状況
 - 住民税課税・納税証明書(直近の前年と前々年分)
ⅱ)日本人妻について
 - 過去3年分の国民健康保険料納付済額証明書又は社会保険証のコピー
 - 住民税課税・納税証明書(直近の前年と前々年分)
一部は申請時点で添付した書類と重複するように思いますが、入管の見落としでしょうか。いずれにしても、市県民税課税・納税証明書関係だけではなく、国民年金や健康保険料についてまで、履行しているかどうか調査するようになった点には注目しなければなりません。
④ 許可の受領
2013年1月上旬に葉書を受領し、同月中旬に在留カードを受領しました。
⑤ 寸評
この申請人ご夫婦は、妻のほうが安定した収入があって主たる生計維持者になっています。どうも、入管は申請人(夫)の低収入を訝しく思っていたのかもしれませんが、申告、納税、年金、保険のどこにも不正はないことが理解され、許可されたものと思われます。

2012.11.19

上陸特別許可(長期上陸拒否事由該当)案件

上陸特別許可(長期上陸拒否事由該当)の在留資格認定証明書

事案の概要
申請人Aはタイ国籍の男性です。
不法残留による退去強制処分を受け、後年、不法入国による退去強制処分を受けたことがあります。その後、また、不法入国して不法滞在・不法就労していたところ、2006年9月に逮捕、起訴され、同年11月に関東地方の地方裁判所において、懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受け、同月、退去強制処分を受けたものです。長期上陸拒否事由に該当します。
申請人Aは、2003年から摘発された2006年まで3年余の期間を同国籍の永住者女性Bと関東地方で同居生活を送っていました。
申請人Aの退去強制後、永住者女性Bは、相応の回数、タイ国への渡航を繰り返していました。
2007年12月、AB間で、タイ式婚姻が成立しました。
2009年、2010年、2011年と1年に1回ずつ在留資格認定証明書交付申請を試みましたが、いずれも上陸拒否事由該当を理由に不交付とされました。不交付理由説明の席では、「不法入国その他、ありとあらゆる手段(名前を変えたり、整形までした等)を駆使して日本に入ろうとしていて悪質。現状として特別に保護されるような事情は見当たらず、今後、よほど人道的に汲むべき事情が発生しない限りは難しい。タイ渡航と入管への申請を根気強く続けるしかない。」というような説明を繰り返されました。
夫婦とも50歳前後であり、夫婦間には実子がありません。本国には縁の離れた兄弟や独立した子がある程度で、強いて言えば本国との結び付きが弱い点が有利であろうか、という程度でした。
2012年8月に、4回目の在留資格認定証明書交付申請書を提出しました。いずれも、当職取次、東京本局への申請です。
2012年11月中旬、在留資格認定証明書が発給されました。退去強制から6年執行猶予期間の満了から2年を経過しています。
過去の不交付理由説明からして、恐らく今回も不交付であろうと思っていたのですが、嬉しい大誤算となりました。
過去にも、上陸拒否事由該当者の在留資格認定証明書は相応枚数の交付を受けていますが、長期上陸拒否事由該当(いわゆる永久追放)で、夫婦間に実子のない永住者の配偶者の案件での交付というのは、過去に情報を得たことがありませんでした。
過去に受けた上陸拒否事由該当者の在留資格認定証明書の場合、認定証の右肩上に「7-1-4」と朱書きされていましたが、本件では「5-1-4」とスタンプされています。いずれも、入管法の条文ですが「5-1-4」と書くとこの事案自体の意味を示すことになります。「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者」であり、長期、つまり、無期限の上陸拒否事由該当です。
また、法務省のホームぺージ上では、上陸拒否事由該当に関する上陸手続の簡素化が記載されていますが、
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact/q_a_details8.html#q8-2
本件では、ここにある「通知書」ではなく、従前どおり“到着便の事前通知”を求める「お知らせ」が同封されていました。つまり、上陸港において、上陸拒否事由該当者に対する上陸審判を、形ながらも行うことを意味しています。
「お知らせ」についてはこちらからご覧ください。
本件以前の上陸特別許可案件に関しては、こちらこちらからご覧ください。
追って、12月には査証発給の上、上陸が認められました。
本稿が、長期上陸拒否事由該当案件の1つの目安になれば幸甚です。

2012.02.08

最近の在留特別許可案件

=子の父はだれか疑義が残るケース=
1. インドネシア国籍の男性(A)は、1999年に架空人名義のパスポートを使用して不法入国し、茨城県などで就労していました。
タイ国籍の女性(B)は、日本人夫(C)と婚姻し、一児(D)を儲け、日本人の配偶者等の在留資格から永住許可を得ました。
2. やがて、BC夫婦は金銭的な理由等で不和になり、2008年11月に、Dの親権者をBと指定して協議離婚が成立しました。離婚当時、Bは妊娠中でした。BCは、離婚したもののBには自活力がなく、Bは離婚成立後9ヶ月間(2009年8月まで)、前夫Cのアパートで同居生活を継続していました。
3. BCが離婚した当時妊娠中だった子(E)は2009年5月に出生しました。Eは、BCが婚姻中に懐胎した子(また離婚した2008年11月から300日以内に出生した子)なので、民法772条の規定により、Cの子であるとの嫡出推定を受けます。繰り返しになりますが、BCは、Eの出生後も同居していたのです。
4. 追って、2009年8月、BDEは、Cの家を出て、Aと同居するに至りました。この時点から、ABDEの4名による同居生活が開始されました。
2010年4月中旬、AとBは、茨城県K市役所へ婚姻届を提出し、日本式婚姻を成立させました。同時に、Aは初めて外国人登録を申請しました。
5. 2010年4月下旬、Aは、東京入管調査第三部門在宅事件担当へ自己出頭しました。
その席で、ABは、「Eの血縁上の父はAである」と述べています。
入管は、「Eの戸籍上の父訂正申立てを証明するもの」を追完するよう要求しました。
6. 本件のように、戸籍上は日本人前夫の子となっているが、血縁上は外国人後夫の子である、というケースは、日常的に見かけるほどの多数に上ります。
7. 入管は、「Eの血縁上の父がAならば、そのように戸籍(公簿)も直すべきだ。公文書に本当の父が記載されていなければ、子供が可愛そうだ。」と言い、一方で、当事者のAB夫妻は、「子供がCの子でなくなることにより、日本国籍を喪失するのは可愛そうだ」という言い分です。
8. 親子関係は法が決めるのか、血縁が決めるのか。これについては、その時々の法制度や倫理観などによって、変遷してゆくものでしょう。近年、DNA鑑定が一般化し、「親子関係は血が決める」という考え方が台頭しつつあるように感じられますが、わが国の民法は「親子関係は法が決める。子の親が後年になってから変更されたのでは、子の法的立場が安定せず子の福祉に反する。」という立場に立つものと思われます(特に、民法776条、777条)。
9. さて、入管が要求した「Eの戸籍上の父訂正申立てを証明するもの」について、どう回答すべきか考えました。
ポイントは、一般的な案件とは違い、BC元夫婦が、妊娠当時も、離婚後も、出産後までも、同居生活を継続していた、という点です。
仮に、AがEを血縁上の実子だと思っていたとしても、BCが同居していた事実は、家庭裁判所が一般的に説明する「別居等で妻が夫の子どもを妊娠する可能性がないことが客観的に明白である」には当たりません。
そこで、下記点線以下の上申書と家裁による嫡出否認及び親子関係不存在確認に関する説明(以下「本件説明書類」と言います)を添付して、提出することにしました。
これで、入管がなお「EはCの子ではなくAの子である」旨の書類を要求してくるなら、親子関係不存在確認調停・審判を提起した上、家裁がDNA鑑定の結果、「EはCの子ではない」と審判するならそれもよし。家裁の一般的な説明どおりBCの同居事実等により「EはCの子ではない、と申し立てることはできない」として却下するならそれもよし。と腹をくくって本件説明書類を提出しました。
10. ほかに、BCのインドネシア及びタイ発行の婚姻証明書を追加提出しました。
11. その結果、入管は、以後、本件説明書類に関する言及をせず、この説明を是認した形になりました。
Aにつき、同年7月に仮放免許可、同年8月に在留特別許可により永住者の配偶者等の在留資格を付与されました。
—————–
東京入国管理局 調査第三部門 在宅事件担当 御中
上 申 書
平成23年4月××日出頭(23-○○××)                         出頭申告者 A
 私は上記出頭日において、追加書類として「次女Eの戸籍上の父訂正申立てを証明するもの」を求められました。
 これについて、調査した結果をこの上申書として提出します。
1 Eは、平成21年5月○○日に出生しました。父Cと母Bが離婚した平成20年11月○日から300日以内に出生した子供ですので、資料3にある民法772条の規定により、Cの子供であるとの推定を受けます。
2 EがCの子供ではないとする方法は2つあることがわかりました。
まず、戸籍上の父であるCから裁判を起こす方法ですが、嫡出否認は、資料1や資料3にある民法777条により、CがEの出生を知って1年以内に提起しなければならないとされているところ、出生当時、Cは生母であるBと同居中でしたから、出生日のうちにEの誕生を知っていました。Eの出生は平成21年5月○○日であり、同日から既に1年以上が経過していますから、この裁判を起こすことはできません。
3 次に、EのほうからCが父親でないという裁判を起こす方法ですが、親子関係不存在確認は、資料2にあるとおり「夫が長期の海外出張,受刑,別居等で子の母と性的交渉がなかった場合など,妻が夫の子どもを妊娠する可能性がないことが客観的に明白である場合には,夫の子であるとの推定を受けないことになる」という条件があります。Eの出生は平成21年5月○○日であり、CとBは、平成21年8月○○日まで同居していたのですから(※)家庭裁判所が言う「別居等で妻が夫の子どもを妊娠する可能性がないことが客観的に明白である」とは言えません。よって、この方法によっても、CとEの間の親子関係を否定することはできません。
(※)上記出頭申告日に提出した陳述書中の「8 婚姻について」にも記してあるところです。CとBは、離婚後9ヶ月間、同居していました。同居期間の最後は、現在の居住地への移転日が平成21年8月○○日となっていることから明白です。
以上により、冒頭ご指示の書面を提出することはできません。
これに相違ないので、夫婦連名で署名の上、提出いたします。
2011年6月○○日
出頭申告者 A
妻     B

資料1(家庭裁判所の説明)
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_15.html
嫡出否認調停
1 概要
 婚姻中又は離婚後300日以内に生まれた子どもは,婚姻中の夫婦間にできた子(嫡出子)と推定されるため,仮に他の男性との間に生まれた子どもであっても出生届を提出すると夫との間の子どもとして戸籍に入籍することになります。
 この夫との間の子どもであるとの推定を否定するためには,家庭裁判所に対して,夫からその子どもが自分の子どもであることの否認を求める嫡出否認の調停を申し立てる必要があります。この申立ては,民法により,夫が子の出生を知ったときから1年以内にしなければならないと定められています(なお,出生を知ってから1年経過後など,嫡出否認の申立ての要件を満たさないと思われるような場合でも,親子関係不存在確認の申立てによることができるケースもあります。)。
 この調停において,当事者双方の間で,子どもが夫の子どもではないという合意ができ,家庭裁判所が必要な事実の調査等を行った上で,その合意が正当であると認めれば,合意に従った審判がなされます。
※ 婚姻の解消又は取消し後300日以内に生まれた子の出生の届出の取扱いについて
 婚姻の解消又は取消し後300日以内に生まれた子のうち,医師の作成した「懐胎時期に関する証明書」が添付され,当該証明書の記載から,推定される懐胎の時期の最も早い日が婚姻の解消又は取消し後である場合には,前の夫を父としない出生の届出をすることができることとされています。詳細については,最寄りの戸籍役場にお問い合わせください。

資料2(家庭裁判所の説明)
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_16.html
親子関係不存在確認調停
1 概要
 婚姻中又は離婚後300日以内に生まれた子どもは,婚姻中の夫婦間にできた子(嫡出子)と推定され,仮に他の男性との間に生まれた子どもであっても出生届を提出すると夫婦の子どもとして戸籍に入籍することになります。
 夫との間の子どもであることを否定するためには,原則として嫡出否認の手続きによることになります。
 しかし,婚姻中又は離婚後300日以内に生まれた子どもであっても,夫が長期の海外出張,受刑,別居等で子の母と性的交渉がなかった場合など,妻が夫の子どもを妊娠する可能性がないことが客観的に明白である場合には,夫の子であるとの推定を受けないことになるので,そのような場合には,家庭裁判所に親子関係不存在確認の調停の申立てをすることができます。
 なお,上記のような父子関係不存在のほか,何らかの事情により真実の母親ではない人の子どもとして戸籍に入籍しているような母子関係不存在のケースも,本手続きによることになります。
 この調停において,当事者双方の間で,子どもが夫婦の子どもではないという合意ができ,家庭裁判所が必要な事実の調査等を行った上で,その合意が正当であると認めれば,合意に従った審判がなされます。
 このほか,前の夫の子であるとの推定を受けない子については,子から実父を相手とする認知請求の調停を申し立てる方法もあります。

資料3(法律)
法の適用に関する通則法
(嫡出である子の親子関係の成立)
第二十八条  夫婦の一方の本国法で子の出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子は、嫡出である子とする。
2  夫が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における夫の本国法を前項の夫の本国法とみなす。
民法
(嫡出の推定)
第七百七十二条  妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2  婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
(嫡出の否認)
第七百七十四条  第七百七十二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。
(嫡出否認の訴え)
第七百七十五条  前条の規定による否認権は、子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。
(嫡出の承認)
第七百七十六条  夫は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、その否認権を失う。
(嫡出否認の訴えの出訴期間)
第七百七十七条  嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。